すでに全世界で競技人口が1億人を突破し、eスポーツへの注目度は高まるばかりです。格闘系やスポーツ系など、さまざまなゲームの技術を競い、それが世界規模の大会でグランプリを目指す本格的なeスポーツの時代がすでに到来しています。
子供の頃、近所のゲームセンターや家庭用ゲーム機などで友達や他のプレイヤーと格闘ゲームなどで対戦に打ち込んだ経験はありませんか?これこそまさにeスポーツの原点ですが、当時は単なる「ゲーム好き」であって名前もありませんでした。それが今ではeスポーツという競技として確立され、世界規模でトップの座を争うまでの「スポーツ」に成長しているのです。
プロゲーマーと単なる「ゲーム好き」の違いとは
eスポーツの世界で活躍するゲーマーは今や、プロのアスリートです。単にゲームがうまい人というイメージを持っている人もいるかと思いますが、それはすでに昔話です。プロのゲーマーたちは勝つためにゲームの技術を磨くだけでなくメンタルトレーニングや筋力、集中力を高めるためのトレーニングを積んでおり、その手法はスポーツに打ち込むアスリートと何ら変わりません。
もちろん、今すでにプロゲーマーとしてeスポーツの世界で活躍している人のほぼ全員は、「ゲームが大好き」というところからキャリアをスタートしています。先ほど少し述べたように、子供の頃にゲームセンターなどで格闘ゲームの技を競い合っていたような時期を過ごした人も多いことでしょう。しかし、その段階ではまだ「ゲーム好き」の域を出てはいません。そこからステップアップして、ゲームの世界のプロになる、ゲーマーというアスリートになることを目指して努力を積み、それぞれのゲーマーが活躍しているのがeスポーツの世界です。
今や世界に1億人の競技人口
世界には、すでに1億人以上のeスポーツ競技人口がいます。しかもこの数はあくまでもゲーマーとして目立った活躍をしている人の数であり、まだ世に出ていない人を含めると競技人口は少なくとも数倍以上になるでしょう。
それに合わせて、eスポーツの市場規模もどんどん成長し、今では全世界で9.7億ドルにもなるそうです。9.7億ドルというと、日本円で約1,000億円です。eスポーツの国際大会では高額の賞金が出ているものも多く、これからさらに市場規模が大きくなっていくことを考えると、プロゲーマーになることで野球選手やサッカー選手のように高額報酬を得る人が続出することになるでしょう。
特に2020年から始まり、世界を停滞させた新型コロナウイルスのパンデミックでは大勢の人が集まる競技大会を開くことが難しくなりましたが、eスポーツは逆に大きな成長を遂げました。eスポーツはネット空間でも大会を開催することができるため、人が集まることなく全世界の腕自慢が集まることも可能だからです。そんな「追い風」もあって、eスポーツはこれからもますます熱い業界として成長を続けていくのです。
eスポーツ業界の職業と活躍の場
それでは、eスポーツの世界にはどんな職業があるのでしょうか。先ほどから解説しているプロゲーマーは最も目立つ存在ですが、それ以外にもeスポーツの競技大会を開催するスタッフなど、新しい職業が続々と生まれています。世界的な企業がスポンサーにつくなど新たなスポーツとしての注目度が高まっていることもあってゲーム会社だけでなくイベント会社なども市場に参入しており、eスポーツの世界で通用する人材が活躍する場は広がるばかりです。
さらに、競技大会への参加だけがeスポーツではありません。例えば、Youtubeなどの動画サイトでゲーム実況動画を公開している人がいます。これは自身の磨き上げたゲームの技術を動画で紹介するものですが、それを視聴するファン層はとても広く、再生回数による収益で高い収入を得ている人も少なくありません。
「ゲームが好き」という情熱を仕事にすることで、これだけ多くの可能性が開かれるのがeスポーツなのです。
eスポーツのプロになるには
それでは、eスポーツの世界でプロになるにはどんな知識や技術が必要なのでしょうか。プロゲーマーとして活躍するのであれば、卓越したゲームのプレイ技術が必要です。この技術については得意なジャンルのゲームでひたすら自らの腕を磨くことに尽きます。
しかし、最近のプロゲーマーは単にプレイ技術だけでは勝てないと考えている人が大半です。集中力を高めるトレーニングやメンタルの強化など、これらは陸上競技や水泳などのアスリートが日々取り組んでいることと何ら変わりません。
さらに、eスポーツの世界では国際大会も多く開催されているので、世界を舞台に活躍する人になるには英語などの語学力も必要になるでしょう。事実、日本人であっても国際的に活躍しているプロゲーマーは英語を使いこなし、世界各国の実力者たちと対等に渡り合っている姿が印象的です。
トップレベルのゲーマー同士の対戦を見ていると、素人にはついていけないような早業が当たり前のように繰り出されます。これだけのスピードにしっかりついていくためには動体視力や反射神経などを磨く必要もあるので、eスポーツのトップアスリートたちはこうした技術の鍛錬にも余念がありません。また、常に平常心を保って自分の実力を発揮できるようにするには、メンタルトレーニングも欠かせません。スポーツの世界のトップアスリートと同様に、ゲームで実力を出し続けるための技術と知識が必要です。
eスポーツのプロになるには、これらの技術を総合的に身につけて、各種大会で結果を残していくことでキャリアアップしていくのが王道です。