イラストレーターとは、イラストを描くプロフェッショナルのことです。イラストとはどんな絵のことか、正確に説明できますか？この答えに、イラストレーターの職業としての本質があります。
それでは、「イラストとは何か？」という問いに対する答えを考えつつ、イラストレーターの仕事解説を進めていきましょう。
イラストレーターとは？
視覚的な表現やイメージ戦略など、人の目に訴える表現を描くのがイラストレーターです。同じような職業に見える画家、アーティストと大きく違うのは、イラストレーターにはクライアント（依頼主）がいることです。イラストレーターは依頼主の要望を聞き取り、それをどこで公開して何を伝えることを目的としているのかを理解したうえで作品を描きます。それに対して画家は自分の思うイメージを描き、それを欲しいと思った人が作品を購入することで成り立つ職業です。「職人」と「芸術家」の違いが、イラストレーターと画家の違いといってよいでしょう。
私たちが普段目にしている可愛いイラストやキャラクターなどを作成するイラストレーターもいますが、それ以外にもWebサイト向けのイメージイラストや、はたまた工業製品の説明書を分かりやすく図案化したものを描く仕事や、医療関係の印刷物や掲示物などのイラストを描く仕事もあります。前者はテクニカルイラストレーター、後者はメディカルイラストレーターとも呼ばれます。
私たちの身の回りはイラストであふれている
私たちの身の回りには、常に多くのイラストであふれています。商品のデザインやパッケージ、広告など一連のイメージ戦略にもイラストは中心的な役割を持っていますし、政府や自治体のキャンペーンやポスターなどにもたくさんのイラストを見ることができます。特にこうした政府の広報などは難しくてお堅い内容の告知が多いので、それを少しでも柔らかいイメージにするためにイラストが多用されています。「個人向け国債」や「マイナンバー」など、広く告知する必要がある政府の情報発信においても、親しみを持ちやすいイラストが使われているので、興味がある方はこれらの関連サイトを見てみてください。
これだけ身の回りにたくさんのイラストがあふれているということは、それだけ多くのイラストレーターが活躍しているということです。とても市場規模が大きく、売れっ子のイラストレーターになると収入も高く、一般的な収入とは大きくかけ離れた高収入を手にしている人もいます。
イラストレーターに求められる能力
まさに自分の腕ひとつで勝負できるとても夢のある世界ですが、選ばれるイラストレーターになるには、どんな能力が必要なのでしょうか。これからイラストレーターを目指そうと考えている人の中からは「絵に自信がない」という声をよく聞きますが、実は絵の上手下手はそれほど大きな問題ではありません。
それよりも、イラストレーターに求められるとても重要な能力があります。それは、聞き取る力と理解する力です。イラストレーターと画家の違いは依頼主がいることであると先ほど述べたように、イラストレーターに依頼をする人というのは広告や告知など、何らかの目的を持っています。その情報発信にはどんな目的があって、そこにはどんな思いがあるのかをしっかりと聞き取り、理解することは「最適なイラスト」を作成する重要な第一歩です。この第一歩を踏み外してしまうと、どれだけ美しいイラストを描いたとしても「何か違う」となってしまいます。イラストレーターが芸術家ではなく職人であるといえるのは、まさにこの点なのです。
イラストレーターになるには？成功するには？
イラストレーターになるには、専門学校や大学などで専門的な教育を受けるのが効率的です。もちろん才能豊かな人が独学でイラストを学び、成功している例もありますが、それだけだと運任せになってしまう部分も大きく、着実にキャリアを積んで成功を目指す方が現実的です。
あくまでも職人なので、知識と経験がモノをいう世界です。これまでにどんな作品を手がけ、実績を積み上げてきたかが問われるので、専門学校に在籍している時からどんどん作品を発信していくのが有効です。資格についても持っておいたほうがよい資格があるので、それを目指すのもよいでしょう。イラスト作成ツールを開発しているアドビ社の関連資格などを持っていると、専用ツールを使いこなすことができることの証明になります。
就職先として有力なのは、デザイン会社や広告会社、制作会社などです。フリーランスで活躍している人のイメージが強いと思いますが、多くの人は企業に所属してイラストレーターの仕事をしているか、企業で実績を積んだうえで独立するパターンが大半です。
