名古屋デザイン&テクノロジー専門学校では、システムエンジニアとして働くために必要な知識やスキルを習得可能です。しかし、システムエンジニアの仕事内容は多岐にわたり、求められるスキルも多くあります。そのため、具体的な仕事内容や求められるスキルがよくわかっていないという方もいるのではないでしょうか。
今回は、システムエンジニアの仕事内容や求められる知識・スキルについてわかりやすく解説します。
記事の概要
システムエンジニアの仕事内容とは
システムエンジニアの仕事内容は、一般的に次のような内容が挙げられます。
- システムの開発・設計
- システムの要件定義・実装
- システムの運用・保守
具体的な仕事内容についてみていきましょう。
システムの開発・設計
システム化したい業務や機能を分析し、システムの開発・設計をおこないます。基本的な設計の内容を掘り下げ、プログラマーが実装できるようにデータベースの構造・管理画面などの仕様を設計します。
設計通りにシステムが動作するように、プログラミングを組み込むための細かな設計もおこなわなければならないため、プログラミングの知識が必須です。システム開発の具体例としては、交通システムや駅・映画館の発券システム、図書館の蔵書検索システムなどが挙げられます。
システムの要件定義・実装
システムを設計するためには、顧客の要望をヒアリングし、システム導入の目的を正確に把握しなければなりません。ヒアリングの結果をもとに、システムの概要や目的、機能を取りまとめたものを要件定義として顧客に提案し、システムの開発・設計、実装に進みます。
たとえば、画面上のどの部分にどのようなボタンを設置するのか、など細かい内容まで決めていきます。顧客が求めているシステムを実装するためには、システムに関するスキルのみではなく、ヒアリング力やコミュニケーション能力が必要です。
システムの運用・保守
顧客の依頼によっては、仕事内容がシステムの納品で終わらず、納品後のシステム運用・保守を継続して引き受ける案件もあります。
運用においてはシステムのトラブルを未然に防ぐことが大切です。保守では、トラブルが発生した場合に迅速な対応と復旧が要求されるため、幅広い知識が求められます。
システムエンジニアと似た職業との違い
システムエンジニアと似た職業がいくつかあります。ここでは、似た職業としてよく挙げられる、プログラマー・Webエンジニア・フロントエンジニアとの違いをみていきましょう。
プログラマーとの違い
プログラマーはプログラミングに特化した専門職です。システムエンジニアはシステムの設計から関わります。一方、プログラマーは基本的には設計に関与せず、システムエンジニアが提案した設計をもとにプログラミングからマネジメントまでの工程を担当します。
案件によってはシステムエンジニアとともに設計から関わるケースもあります。システムエンジニアとプログラマーとの違いとして、企業独自のルールやプロジェクト単位によって仕事の範疇が変わる点も知っておきましょう。
Webエンジニアとの違い
WebエンジニアはWeb上で利用されるアプリケーションソフトやシステムなどの設計・開発に携わる職種です。画面遷移やデザインの設計からシステムの動作開発、運用・保守を担います。
システムエンジニアとの違いは、Webに特化している点です。Webエンジニアもシステムエンジニアと同様にシステムの設計から携わるケースもあります。
フロントエンジニアとの違い
フロントエンジニアはデザインをもとに、HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどのスキルを用いてWebサイトやサービスの設計・実装を担当する職種です。JavaScriptやPHPなどのプログラミング言語のスキルが必要であるため、高い技術力が求められます。
システムエンジニアとの違いは、フロントエンジニアは主にサイトやサービスの制作を担当する点です。案件によってはプログラマーやWebエンジニアと同様に、システムエンジニアと設計から関わるケースもあります。
システムエンジニアの環境と将来性
システムエンジニアを含めたIT人材は多くの業界で不足しています。加えて、企業は経営課題であるDX推進に向け、社内体制の整備とIT人材の確保を進めています。システムエンジニアは将来的にも需要が高い職種といえるでしょう。
近年、AIやIoTなどの新しいICT分野が進歩しており、システムエンジニアなどのIT人材には将来性がないという意見も珍しくありません。しかし、システムエンジニアの仕事はIT技術を活用し顧客の課題を解決することです。
顧客によって課題や状況は大きく異なるため、AI技術ではパターン化が困難であり、対応できないと想定されます。そのため、AIの台頭とシステムエンジニアの将来性は直接関係していないといえるでしょう。
SEも含めたIT人材は多くの業界で不足している
2019年3月に発表された経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、今後もIT人材が不足している状況は進み、2030年には最大で約79万人のIT人材不足に陥ると予測しています。
また、国内外で企業間の競争は激しくなっており、各企業はデジタル技術の活用による新しい価値を生み出そうとしています。しかし、AI技術に対応できる人材の確保が困難な状況であるため、最先端技術を身につけたシステムエンジニアなどのIT人材の需要は高まるでしょう。
参照:経済産業省|「平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
(IT 人材等育成支援のための調査分析事業)- IT 人材需給に関する調査 -」
将来的なキャリアパスが描きやすい
キャリアパスの例として、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどが選択肢に挙げられます。企業によっては、システムエンジニアの知識やスキルを追求し、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどのスペシャリストを目指せるような選択肢を用意しているケースもあり、将来的なキャリアパスを描きやすいでしょう。
また、ITコンサルタントやプロダクトオーナーなど他の職種への転職も選択肢の1つです。ITコンサルタントとはITの知識を活かし、企業の経営層や情報システム部門をサポートする職種です。業界の知識や交渉力も求められます。
プロダクトオーナーとはシステム開発の業務のみではなく、ビジネスやサービスの価値の最大化を図るために企画・改善をおこなう職種です。顧客とシステム開発チームの仲介役を担います。
平均年収は高めとなっている
2022年に厚生労働省が公表した令和4年賃金構造基本統計調査によると、システムコンサルタントおよび設計者を含むシステムエンジニアの全世代の平均年収は約660万円でした。
プログラマーなどのソフトウェア作成者の平均年収は約550万円、機械技術者は約606万円、電気・電子・電気通信技術者は約644万円であることから、システムエンジニアの平均年収は高めとなっているといえます。
平均年収の高さはIT人材不足の影響やシステムエンジニアに必要な技術力の高さが影響していると想定されます。IT人材不足は今後も続くことが予測されているため、平均年収が高い傾向は続いていくでしょう。
参照:厚生労働省|「令和4年賃金構造基本統計調査」
※平均年収の算出方法:「きまって支給する現金給与額」×12ヵ月+「年間賞与」
システムエンジニアに役立つ資格
システムを開発・設計するためには専門知識が必要です。システムエンジニアとして活躍するためには、必要な専門知識を身につけられる資格を取得するとよいでしょう。
ここでは、システムエンジニアに役に立つ資格を5つみていきます。なお、5つの資格の認定試験は全て独立行政法人情報処理推進機構が主催しています。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT人材として必要な基礎的な知識やスキル、情報システムの開発・運用などを証明できる国家資格です。認定試験は随時実施されているため受験しやすい試験といえます。
試験の出題内容にはC言語によるプログラミングの基本問題も含まれ、システムエンジニアとしての登竜門となる資格です。情報処理技術者試験のなかでは入門的な試験となるため、最初のステップアップとして取得するとよいでしょう。
ITパスポート
ITパスポートはITの基礎的な知識が証明できる国家資格です。試験ではAIやビッグデータなどの概要をはじめ、IT、経営戦略・マーケティング、法務など幅広い分野の知識が問われます。資格取得により、ITを正しく理解し、業務において効率的にITを活用できるスキルが身につきます。
試験では幅広い分野が問われるものの、基礎的な問題が出題されるため、将来的にシステムエンジニアを含むIT人材として活躍したい人に向いている資格です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験に合格することで、システム開発のプロジェクトを管理するスキルを証明できます。プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーにキャリアアップする場合に有効な資格です。
試験は午前と午後に分かれており、午前はマークシート式、午後は記述式と試験方式が異なります。午後の試験は論述形式のため、実践的な知識を習得していなければ合格できません。また、2022年度の合格率は14%程度と低く、難易度が高い資格です。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験はシステム開発に必要となる要件定義をおこない、実現に向けたアーキテクチャを設計・開発できるスキルを証明できる資格です。システム開発において的確に分析するために豊富な業務知識を習得し、顧客ニーズに適したデザインの実現に導く上級エンジニア向けの資格といえます。
試験では業務分析やシステム設計など上流工程の知識が求められます。2022年度の合格率は15%と難易度が高く、容易に合格できる資格ではありません。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は情報漏えいやサーバー攻撃、内部不正など情報セキュリティのリスクに対応できるスキルを認定する国家試験です。システムエンジニアとしてシステムの運用・保守を担当する場合、取得しておきたい資格といえます。
2022年度の合格率は61.2%で、他と比較すると難易度は低い資格です。情報セキュリティマネジメントのスキルは、営業や企画、総務、人事など部門を問わず幅広い業種・職種で求められるため、試験合格によりさまざまなフィールドで活躍できるようになるでしょう。
システムエンジニアに必要なスキル
システムエンジニアにはプログラミングスキルやコミュニケーション能力に加え、業界知識も必要です。また、顧客の必要としているシステムを開発するためには提案・問題解決力も求められるでしょう。ここでは、必要なスキルと能力についてみていきます。
プログラミングスキル
システム開発においてプログラミングスキルは必須です。システムの基本設計の内容をプログラマーに伝わるよう仕様書に落とし込む必要があるため、高いプログラミング技術が求められます。
コミュニケーション能力
個人ではなくチームで作業をするケースが多くあります。チームメンバーと協力し業務をおこなうため、普段からチームメンバーとのコミュニケーションが欠かせません。また、顧客と打ち合わせをする機会も多くあり、社内外のさまざまな人とコミュニケーションを取る必要があります。
論理的思考
システム開発においては、顧客のニーズを正確に汲み取らなければなりません。顧客の話を理解し、認識にズレがないかを確認する場面も多くあるため、論理的思考力も必須です。
業界知識
業界によってビジネスや経営環境は大きく異なるため、顧客を理解しニーズに適したシステムを開発するためには、その業界についても理解しておく必要があります。豊富な業界知識を身につけたシステムエンジニアは転職市場でも高く評価されるでしょう。
提案・問題解決力
顧客のニーズに合わせてシステムを開発するため、顧客の知識レベルに応じて言葉を使い分け、わかりやすく説明できる提案力も求められます。
システム開発の目的は、顧客が抱えている問題を解決するためです。解決までの道筋を立てるにはヒアリングを通した問題解決力も必要になります。また、システム運用・保守まで担当する案件の場合、トラブルが発生したら都度改善していかなければなりません。
システムエンジニアになるには
システムエンジニアには専門的知識や技術が求められるため、簡単になれる職種ではありません。システムエンジニアを目指している方は、システムエンジニアとして就職できる方法を把握しておきましょう。
プログラマーからのステップアップ
プログラマーとして自身のスキルを磨き、システムエンジニアにステップアップします。システムエンジニアはプログラマーがシステムを開発するために必要な仕様書を作成するため、プログラマーとしての経験や技術力は欠かせません。
プログラマーとして働くと、プログラム言語を習得できます。さらにプログラム言語以外のスキルを習得することで、システムエンジニアにステップアップできる可能性が高まるでしょう。
大学・専門学校で学ぶ
IT系の大学・専門学校で、プログラミングなどのIT系のスキルを学習した場合、システムエンジニアとして就職しやすくなります。システムエンジニアは高い技術が求められるものの、未経験者でも将来的な成長に期待して新卒として採用されるケースもあるだけでなく、専門的な知識や技術を身につけられるためです。
将来システムエンジニアとして活躍したい、即戦力になりたいという方は大学よりも専門学校がおすすめです。
大学は専門分野や一般教養など講義・座学を中心に学ぶのに対し、専門学校は目指す仕事に必要な知識や技術を実践的に学ぶからです。専門学校は業界で活躍できる専門特化したカリキュラムが用意されているため、就職に直結した学びができます。
大学との違いとして、専門学校は授業が専門的・実践的であるのに加えて、各業界での経験者や現役のプロが講師をしていたり、専門性の高い設備や機材が用意されていたりするなど、リアルな現場の仕事を想定した授業を行っているため、即戦力や応用力を培うことができます。業界のイマやトレンドなどが授業に反映されるため、就職後に活躍しやすい環境が整っているといえます。
なかでも、名古屋デザイン&テクノロジー専門学校は4年制の専門学校のため、大学卒業と同等の高度専門士の称号を取得でき、大学院への進学も可能です。専門学校だと学歴が心配…という方は高度専門士の取得ができる専門学校を検討してみてください。
まとめ
システムエンジニアの仕事内容はシステムの開発・設計のみではなく、顧客が抱えている問題をヒアリングし、解決につなげることです。プログラミングスキルなどのIT系のスキルをはじめ、コミュニケーション能力や問題解決力、さまざまな業界知識が求められます。
システムエンジニアには高い技術力と幅広い知識が必要となり、簡単になれる職種ではありません。そのため、専門学校や大学でプログラミングの基礎や開発のベースを学習し、顧客への問題定義や課題解決の提案ができるエンジニアを目指しましょう。
名古屋デザイン&テクノロジー専門学校の「スーパーITエンジニア専攻学科」では、Alプログラミングだけでなく、クラウドやloTまで学習が可能です。
また、IT起業家やIT業界で新サービスを手がけたプロが来校し、自らの経験やノウハウを直接教えてもらう機会があるので、多くの企業と関係や人脈を得ることができ、起業へのサポートも充実しています。
さらに、学科や専攻コースの枠を超えて興味のある授業を受けることができる「Wメジャーカリキュラム」があるので、自分の強みを更に増やすことで将来の選択肢が広がります。
少しでも興味をもった方は、名古屋デザイン&テクノロジー専門学校のオープンキャンパスへ参加してみましょう。
ご家族と一緒に本校の内容を確認したい場合は、無料で資料請求できるパンフレットが役立ちます。公式サイトに載せきれない情報もチェックできるため、ぜひ取り寄せてみてください。