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自分の“面白い”とファンの“面白い”が
合致したゲームを作れたとき、最高の職業だと実感する。

株式会社バンダイナムコスタジオ
デジタルコンテンツからトイホビーまで、幅広く取り扱うバンダイナムコグループ。今回伺ったバンダイナムコスタジオでは、家庭用ゲーム機やオンライン、モバイルを中心としたゲームを展開しています。ゲーム分野専攻の学生たちが『風のクロノア』や『ドリフトスピリッツ』などを担当してきた中西俊之さんに、気になる仕事内容を教えていただきました。

特別講師

第2スタジオ 第1プロダクション チーフプロデューサー

中西 俊之

『風のクロノア』シリーズなどのコンシューマーゲームを担当。その後2013年にリリースされたスマホアプリゲーム『ドリフトスピリッツ』ではディレクターとして立ち上げより関わる。直近ではCS系や採用面接なども担当する。

意見が言いやすい環境で個性を出して成功する人が多い

最初に、中西さんはどのようなお仕事をされているのか教えてください。

僕は企画でこの会社に入りました。ようは、チームを作ってみんなをまとめる仕事ですね。企画は細分化でき、プロデューサーなら予算管理やPRを考えたり、人を集めたりします。ディレクターになると、現場の指揮を取ります。企画はゲームが面白くなるように考えて、みんなに説明し、それぞれの担当に動いてもらいます。こうして、製品になるまでの流れをつなげる仕事がメインです。

貴社の社風を教えてください。

現場は明るいです。みなさん感性が若々しくて、僕も50歳に近いですが、20代でゲームを楽しんでいた感覚と変わらないと思っています。また、頭ごなしにダメと言われることも少なく、どちらかというと個性を出した方が成功している人が多いかもしれません。ゲームが好きで、モノを作るのが好きだと馴染みやすい雰囲気かなと思います。

ゲーム制作について、意識していることや心構えはありますか?

基本的には自分が面白いと思うモノを作りたいと思っていますが、一方で仕事である以上は売れなければ困るため、お客さんが楽しんでくれるモノを作らないといけないとも思います。この両者のいい具合のバランスを探ることは、おそらく多くのクリエイターが苦労しているのではないかなと思いますね。

制作を円滑に進めるために、どのようなコミュニケーションを取っていますか?

コミュニケーションはとても大事で、年齢やキャリア、職種などは関係なく、なるべく率直な意見を言い合える雰囲気にしたいと思っています。そこで、話の前に相手を笑わせたり、好きな話を振ってみたりとアイスブレイクを挟むこともありますね。自分の話を聞いてほしいときは、しっかり主張することも忘れません。最近はリモート会議中心なので、全く喋らない人も出てきがちです。そんな人たちのフォローにも気を配っています。

別のプロジェクトと意見交換をしてよりよい問題解決を探ることも

制作期間で一番大変な工程と、時間を要する工程を教えてください。

一番大変な工程は、最初の「これだ!」というアイディアを生み出すことかもしれませんね。時間を要するのは量産工程でしょうか。プリプロダクションが固まったあと、ステージやキャラクターをどんどん増やしてボリュームをつけていくために2〜3年ほど時間をかけています。

別のプロジェクトの方とゲーム制作の相談をすることはありますか?

時々プロデューサー同士や仲のいい同期で話すこともありますよ。最近はテレワークで、偶然社内で会って雑談をする機会は減りましたが、本当に困ったとき、経験があるチームに正式に依頼して時間をいただくこともあります。せっかくいろんなプロジェクトが集まっているので、もっと交流が盛んになればいいなと僕も思っています。

オンラインゲーム開発時の人数と、リリース後の人数に変動はあるのでしょうか?

僕が携わった『ドリフトスピリッツ』は、スタートが6人で2013年のリリース時には15人になりました。その後ヒットし、今は50人ほどのチームになっています。ただ、最近はスマホゲームでも最初から50人や100人規模でスタートというところが多いです。売れれば人員は増えますし、売れなければ減ることもありますね。

買い切り型とオンラインゲームの、開発時の違いを教えてください。

最近はどんどんスマホゲームがコンシューマーに追いついてきて、似てきたように思います。強いて言えば、スマホゲームはいかに気楽に始められるか、そして長く遊んでもらえるかなどを考えて作っています。制作期間はスマホゲームも長くなっており、3〜4年ほどです。コンシューマーのハイエンドになると5〜6年ほどと、より長くなります。

今、ゲーム制作のチームリーダーをしています。そこで悩んでいるのが各々の期限管理です。中西さんはどのように管理されていますか?

人数が増えるほど少しの納期のズレが全体の延期にもなってしまうので、責任重大ですよね。相手が「できる」と言っても本当にできるのか、内容を理解できていなくて見積もりが甘くなってないかなど、正しく見極めないといけません。これは何度か失敗しつつも、相手を理解したり理解してもらったりして、すり合わせていくことが大事です。

お客さんから製品の反応があると一気に疲れが吹き飛ぶ仕事です

プログラミング言語の中で、習得が大変な言語は何でしょうか?

こちらはプログラマーより回答をいただきました。“アセンブラ”が大変だったそうです。「命令を覚えるのは簡単でしたが、それを使ってやりたいことを実現するまでがとても大変でした」とのこと。企画の視点では、優秀なプログラマーは初めての言語でもコツをつかんで、いつもなんとかやってくれているので、本当に尊敬しています。

キャラクターデザイン案はどのように決めて、描く人はどのように決めているのでしょうか?

まず製品のジャンルに合わせて、イラストの方向性を明確にします。僕は絵が描けないので、イメージに近いイラストをネット検索でいくつかピックアップし、デザイナーに伝えます。それをデザイナーが咀嚼し、そのデザインが得意な人を探してアサインします。その後、アートディレクターやアーティストから複数のラフ案を出していただき、最終的にはディレクターを交えて決めていく場合が多いです。

学生のうちにしておいた方がいいことはありますか?

僕自身は学生時代に、ゲームショップでアルバイトをしていました。なぜかというと、自分が作ったゲームが実際にどういう風に売られていくのか、どんなお客さんが買うのかを知っておいた方がいいと思ったからです。結果、市場のリアルがよく知られたのと、就職活動でその経験を話せたのでやってよかったです。今の時代なら、自分の興味があることなどをどうしたら人に喜んでもらえるのか考えて、YouTubeなどで動画配信してみるのもいいかもしれません。作ったものを披露してフィードバックをいただく経験は、仕事を始めてから役に立つと思います。あとは趣味があるならそれに一生懸命打ち込むこともいいですね。

ありがとうございました。最後に、ゲーム業界を目指す学生にエールをお願いします。

ゲームが好きな方には、間違いなく楽しい仕事だと思います。もちろん大変なこともありますが、製品になってお客さんから面白かったと反応をいただいたときは、その大変さも一気に吹き飛ぶかと思います。ゲーム業界というだけで親から心配されるような時代もありましたが、今は一般のサラリーマンと同じで、仕事として確立したように思います。せっかく自分がやりたい仕事を見つけたなら、精一杯まっすぐに進んでください。その上で、トップクリエイターになりたいなら、ますますセンスを磨いて上り詰めていただきたいです。